黒クマの正体

黒クマと呼ばれるように、色が黒く見えるクマのことです。まず目の周囲には、眼窩（がんか）脂肪が存在します。クッションの役割を担う脂肪で、眼球を支えています。

何らかの理由で眼窩脂肪が前に突き出し、膨らみやたるみができることで影が生み出されます。この影が黒クマの正体です。

黒クマが発生する原因

なぜ黒クマができてしまうのでしょうか。主な原因として以下が挙げられます。

眼窩脂肪が前方に押し出される

先で少し述べましたが、眼球は構造上、眼窩脂肪に囲まれています。さらに眼球が沈み込まないよう、下から靭帯（じんたい）で支えられています。

この靭帯が加齢とともに緩んでしまうと、眼球の重みで眼窩脂肪が前方に押し出される形になり、目の下にたるみや凹みとなって現れます。皮膚の凸凹が原因で影ができ、黒く見えるクマとなります。

眼窩脂肪の壁となる骨の高さが低い

通常、眼窩脂肪は飛び出さないよう目の下にある骨が壁となり、ある程度せき止められています。実は骨の高さは誰もが同じではなく、骨格によって変わります。

例えば、高さがあまりない場合、若いうちから脂肪が前に出やすいです。一方、高さがあると年齢を重ねても脂肪が出てこないため、黒クマはできにくいと考えられます。骨格は遺伝の影響も受けやすいです。

頬の脂肪が減少する

黒クマの程度は、頬の膨らみによっても変わります。頬の脂肪量があまりなく、膨らみが少ない場合、頬と目の下の境目に溝ができます。この溝と目の下の膨らみとの差が大きくなるほど、黒クマが目立ちやすくなるのです。

黒クマ以外のクマの原因もチェック！

クマには黒クマだけでなく、茶クマや青クマと呼ばれる種類もあります。

茶クマの主な原因は乾燥や紫外線によるダメージ、摩擦などによる色素沈着です。例えば、アレルギー体質でたびたび目がかゆくなり、擦ってしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。このような刺激によって目の下の皮膚が色素沈着を起こし、茶色っぽく見えてしまうのです。

また、静脈の血液が透けて目の下が青く見える青クマは、血行不良が主な原因です。血行不良はストレスや寝不足、目の疲れなどによって引き起こされます。また、生まれつき目の下の皮膚が薄いなどの場合もできやすいといわれています。

目の下のクマのケア方法

目の下のクマを予防するためには、眼輪筋を鍛える体操やマッサージなどの対策を講じることがポイントです。ただし悪化したクマなど、症状や状態によってはあまり効果が期待できない可能性も少なくありません。その場合は医療機関での治療を検討しましょう。

例えば、押し出された眼窩脂肪は目の下の脱脂によって改善できます。脱脂とは、目の下にある余分な量の脂肪を取り除く治療法です。また、目の下や頬に脂肪注入を行うなどの方法もあります。