ニキビ跡がケロイドになってしまうと、セルフケアで治すことはとても難しくなります。
そんなケロイドになってしまったニキビ跡は、どのように治療して治すことができるのか・予防方法についてご紹介します。
また、ケロイドに似ている肥厚性瘢痕との見分け方についても解説していますので、困っている方は一つ参考にしてみてください。
少しでも迅速な治療をすることが一番おすすめですが、ニキビ跡がケロイドにならないためにも知識として周知しておくことは重要です。
ニキビ跡のケロイドとは
ニキビ跡のケロイドとは、ニキビ跡が盛り上がってしまい皮膚が戻らなくなったものを、ケロイド(肥厚性瘢痕)といいます。
ニキビが原因で炎上が起こり、組織へダメージが加わることでニキビ跡ができます。
また、なかなかニキビが治らず炎症がひどくなり、何度も同じところにできることでニキビ跡ができやすくなります。
ニキビ跡を修復するために頑張りすぎてしまった細胞が、ミミズ腫れのように赤く盛り上がった状態になることでで、ケロイドができあがります。
また、しこり上のニキビ跡が悪化することでできやすく、患部を過度に触ったり、潰そうとして悪化してしまうことも…。
ケロイドになってしまった部分は、市販薬でケアすることが難しいため、できるだけ速やかにクリニックで治療をしてもらうことで、綺麗に治療することができるでしょう。
ニキビ跡がケロイドになる原因
ニキビ跡がケロイドになるには、主に2つの原因があります。
ニキビが酷くなってしまったり、炎症が治らない場合にできやすいケロイドですが、美肌に必要なコラーゲンの過剰生成や元々の体質が原因でできやすい人もいます。
ニキビ跡をケロイドにしないためにも、何故ケロイドができてしまうかの原因を知っておきましょう。
コラーゲンが過剰に作られた為
ニキビ跡がケロイドになってしまう原因1つ目は、コラーゲンが過剰に作られてしまった時です。
ニキビの炎症がなかなか治らず続いてしまうと、破壊された皮膚組織を修復するためにさまざまな成分が生成されます。
その中でも、コラーゲンが過剰に作られてしまうことで、ケロイドとして皮膚が盛り上がり残ってしまいます。
美肌に必要な要素であるはずのコラーゲンが、炎症が治らないことで逆効果となってしまうのです。
ケロイド体質も関係している
ニキビ跡がケロイドになってしまう原因2つ目は、ケロイド体質という可能性があるということです。
もともとケロイドができやすい体質の方がおり、有色人種はケロイドを作りやすいことが知られています。
また、遺伝的な要素も影響し、ニキビだけではなく傷ができた際にもケロイドが形成されやすい方・女性ホルモンや高血圧が原因でケロイドができやすい体質の方もいます。
ニキビや傷が治る過程でケロイドが良くできる方は、ケロイド体質である可能性が高いと言えます。
間違われやすい肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)との違い
肥厚性瘢痕は、ケロイドに間違われやすいですが、できる形・サイズなどが違います。
ケロイドは、ニキビ(傷跡)よりもさらに大きなミミズ脹れのような状態になり強い痛みや痒みを伴います。
肥厚性瘢痕は、ニキビ(傷跡)と同じくらいの範囲にミミズ腫れのような盛り上がりができ、ケロイドと比べると痛みやかゆみはあるものの軽いことが多いです。
肥厚性瘢痕は傷に沿って現れ、ケロイドは傷よりも大きなミミズ腫れができるという違いがあります。
また、肥厚性瘢痕は症状がケロイドに比べて軽度であるため、時間が経つことで自然と治る・治療を受けることで早めに治ります。
しかし、ケロイドは自然と治ることは少なく、治療をするにも時間がかかります。
そのため、肥厚性瘢痕とケロイドは見た目が似ていますが、症状としては違う状態です。
ニキビ跡をケロイドにしない4つの予防法
ニキビ跡をケロイドにしないためには、必要以上に触らないことです。
物理的な刺激を極力避けることで、ニキビ跡がケロイド化しにくくなります。
気になって頻繁に触ってしまうと、刺激になってしまったり不衛生な環境を作ってしまったり、皮膚にとってもあまり良くありません。
他にも、意識することでニキビ跡がケロイドになりにくくなる方法があります。
①伸展刺激(しんてんしげき)の抑制
伸展刺激とは、傷跡や周りの皮膚が引っ張られることで生じる炎症のことです。
ニキビができた時に、潰したり内容物を押し出そうとすると、ニキビ周りを伸ばしたり縮めたりすることになり伸展刺激が加わります。
特に、ひじやひざのような関節周りにニキビや傷ができてしまった場合は、伸展刺激を最小限に抑制する必要があります。
上記のような伸展刺激が、皮膚に加わることでケロイドができる可能性が高くなります。
最近では、ニキビパッチのような専用シールが販売されていることもあるので、そういったものでニキビを保護し保湿することで、伸展刺激を最小限に抑えることが可能です。
ただし、敏感肌の方は使用する際、炎症が起きてしまう可能性もあるため注意が必要です。
②摩擦刺激(まさつしげき)を避ける
摩擦刺激は、マスクや衣類などが皮膚へ接触することで起こる刺激です。
特に、最近ではマスクをする時間が増え、ニキビが摩擦刺激で炎症を起こしてしまいやすい環境ができてしまいます。
もし、ニキビができた場合は、できるだけそういった摩擦刺激を最小限に抑える・避けることで、ケロイドの予防に繋がります。
また、襟があるような衣類の場合は、マスクをしていなくても顔周りに触れてしまうことがあるため、できるだけ避けることで摩擦刺激を防ぐことができます。
③テープをはがす時の刺激を少なくする
ニキビや傷跡ができてしまった時に、貼り付けたテープを剥がす場合の刺激をできる限り少なくすることで、ケロイドを予防することができます。
皮膚からテープを剥がす時も、勢いよく剥がしてしまうと強い刺激を与えることになります。
せっかく保護を目的としていたのに不要な刺激を与えてしまうと、炎症が起きてケロイドが発症してしまう可能性もあります。
そのため、そういった保護テープを剥がす時はできるだけ、優しく・丁寧に剥がすように心がけましょう。
テープと皮膚の間に水を含めながら剥がすことで、刺激を最小限に抑えることもできます。
④紫外線対策
ケロイドの予防法として、紫外線対策はとても大切です。
紫外線は、ニキビに悪い影響を与え症状を悪化させたり、ニキビ跡の原因になったりシミとして残りやすくなったりします。
そのため、紫外線がニキビや傷に当たるとダメージを受けることになり、ケロイドができやすくなってしまいます。
ケロイドを防ぐためにも、日焼け止め塗ったりUV加工されている服や帽子で、紫外線対策をすることでケロイド予防にもつながります。
紫外線から肌を守ることで、傷を綺麗に治すことにもつながり、ケロイドもできにくくなるため紫外線対策はとても大切です。
ケロイドになりやすい4カ所と原因
ケロイドは、体の部位によってできやすい場所があり、耳・顎・胸・関節部分の4カ所があります。
ケロイドができやすい共通点として、皮膚が引っ張られたり摩擦が起きてしまったり、刺激を与えやすい場所ということです。
ケロイドができやすい部分を知ることで、気をつけるべきことをより明確にすることができるでしょう。
耳:ピアス孔に出来た傷や金属アレルギーが原因
ケロイドができやすい場所1カ所目は、耳です。
特に、ピアス孔がある人で開けたばかりの時に、体が傷を修復するタイミングに炎症を起こしてしまい、ケロイドになることがあります。
また、ピアスの素材や不衛生な状態を放置することで、アレルギー反応を起こしたり炎症が起きてケロイドができる場合も…。
他にも、重たいピアスや揺れるピアスをつけることで、耳が重みで引っ張られピアスとピアス孔で摩擦として刺激されてしまうことも、ケロイドができる原因として考えられます。
ケロイドを作らないためには、ピアス穴を清潔に保ちできるだけ刺激を与えないようにすることを心がけましょう。
また、少しでもアレルギー症状が現れた場合はすぐにピアスを外しましょう。
心配な方は、できる限り迅速に医師の診察を受けるようにすることをおすすめします。
顎部:ニキビがきっかけ
ケロイドができやすい場所2カ所目は、顎です。
顎は顔の中でも、皮脂が分泌されやすく毛穴が詰まり、ニキビができやすい場所です。
また、一度治ってもすぐに別のニキビができやすい部位でもあります。
マスクをする時間が増えたことで摩擦が刺激になり、ニキビができやすく・蒸れて不衛生な環境を作ってしまい、炎症が起きることでケロイドに繋がります。
どうしても、マスクをしなければならない時間が増えてしまう時は、できる限り顎を清潔に保つように心がけましょう。
例えば、1日に1回はマスクを交換する・こまめにティッシュで拭うなど。
また、マスクの素材を通気性の良いものを選び、肌に優しいものを選ぶようにすることで、顎にニキビを作りにくくなります。
前胸部:ニキビや手術がきっかけ
ケロイドができやすい場所3カ所目は、前胸部です。
胸元は、汗をかきやすく蒸れやすく、日々の生活で衣類との摩擦・皮膚が伸び縮みしやすいため、ケロイドができやすい部分といえます。
また、ニキビや手術がきっかけで、炎症や傷を治そうとするためケロイドができやすい皮膚状態が生まれます。
前胸部にケロイドを作らないように、汗をかいてしまう時はタオルやハンカチで拭いたり、できるだけ通気性の良い衣服を選ぶようにしましょう。
また、できるだけ胸元を動かさずいることで、摩擦を最小限に抑えることができます。
気になる方は、ガーゼや絆創膏などでニキビや傷を抑えることで、摩擦を減らすことができるでしょう。
肩部・膝部:肩の手術創
ケロイドができやすい場所4カ所目は、肩部・膝部です。
肩や膝は、前胸部と同じく、衣服との摩擦が刺激になり、ニキビや傷が悪化することでケロイドになってしまうことがあります。
関節部分でよく動く場所なため、伸展刺激が多くなります。
また、肩やひざの皮膚は他の部分に比べ厚く・傷が深くなりやすいため、傷ができたり手術後にケロイドができやすい場所になってしまいます。
夏場であれば、Tシャツやハーフパンツなどを選ぶことで、摩擦で起こる刺激を避けることができます。
冬場の場合は、テープや傷をできるだけ保護することで、摩擦から皮膚を守ることが可能です。
ケロイドができやすい部位によって、より良い方法で刺激から皮膚を守ることでケロイドを作りにくくするように心がけましょう。
ケロイド体質の人は多い?
ケロイド体質とは、しばらく経っても傷の炎症が続き、傷跡が赤く盛り上がりみみず腫れのようになりやすい体質のことです。
ケロイド体質の人は多く、日本人の10%がケロイド体質と言われています。
家系の遺伝子や人種的な理由からケロイド体質である人もおり、意外にも多くの方がケロイドで悩んでいる可能性が考えられます。遺伝の場合は治る確率が低いです。
普段は皮膚の悩みがない人でも、炎症やアレルギーが原因でケロイドができてしまうことはあります。そういった人は、なぜケロイドができてしまうか原因を事前に知り、迅速な治療をすれば対処可能です。
ニキビ跡ケロイドのフォーシーズンズ美容皮膚科の治療法
ニキビ跡がケロイドになってしまった場合、できる限り迅速な治療をすることが大切です。
ケロイドは、そのまま放置しておくと、どんどん大きくなってしまい治療が大変になることもあります。
また、できるだけ綺麗に治療をしたいと考えている方には、少しでも早くクリニックで診療を受けることをおすすめします。
できるだけ綺麗に・自然に治したいという方は、肌再生料に特化しているフォーシーズンズへ一度カウンセリングへ行ってみてください。
PRP皮膚再生療法
PRP皮膚再生療法は、自身の血液を用いて治療を進めます。
人間が本来持っている、再生力や治癒力を最大限に引き出し幹部へ注入することで、自身の治癒力でケロイドを改善することができます。
自身の血液を利用するため、アレルギー反応や副作用が起こることはほとんどありません。
個人差はありますが、腫れや痛みが少し出てしまう場合もあるようですが、数日で落ち着きます。
できるだけ、自然にケロイドを治したい・アレルギーや副作用を最小限に抑えたいという方におすすめの治療法です。
また、血液を採取し専用の機械でより良い細胞を抽出・培養し、それを患部に注入することで治療は完了します。
そのため、入院をしなくても治療ができるので、体への負担も少ないです。
ケロイドをできるだけ体の負担を最小限に抑え治療したいという方は、肌再生医療に特化したフォーシーズンズへカウンセリングを受けてみてください!
脇田尚子 先生
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過去に様々な皮膚科で活躍した経歴を持つ皮膚科医。現在はフォーシーズンズ美容皮膚科 神戸院の院長を務めている。
▼勤務経験
神戸大学病院皮膚科
神戸西市民病院皮膚科
兵庫県立加古川医療センター皮膚科
東神戸病院皮膚科
フォーシーズンズ美容皮膚科