紫ニキビができてしまう原因や予防方法を解説します。
ニキビは色ごとに段階が分かれていますが、紫ニキビはニキビが悪化した状態を言います。
段階の中でも紫ニキビはどこに位置するのか、どういった症状があるのか知らない方もいますよね。
紫ニキビ跡をスキンケアする際の注意点や、紫ニキビを潰してしまったときの処置方法も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
紫ニキビとはニキビが悪化した最終段階
紫ニキビは、ニキビの炎症が徐々に悪化していき跡に残る前の最終段階です。
肌の奥まで炎症が広がっている状態のため、セルフケアだけで直すのは難しく、医療の力を借りないと治りにくい状態まで症状が進行しています。
ニキビ跡を残さないために、1日でも早く医療機関へ受診するのが望ましいです。
そもそも紫ニキビとはどういった状態のもので、何が原因でできるのでしょうか。
こちらでは、紫ニキビの症状と、原因として考えられることを解説していきます。
紫ニキビとは
紫ニキビはニキビの症状が悪化した最終段階です。
毛穴の中で炎症を起こしたニキビに血や膿が溜まって、ブヨブヨとしたしこりのように腫れた紫色のものを言います。
紫ニキビの炎症は毛穴だけにとどまらず、毛穴周辺の皮膚にまでも広がっているので、治ったとしてもクレーター状の跡が残りやすい状態です。
また、肌の真皮層にまでダメージが及んでいるので、ニキビ跡は赤色や茶色といった色素沈着が起こりやすく、綺麗にするには根気よく治療を続けていく必要があります。
セルフケアだけではかえって症状を悪化させてしまう可能性があるため、1日でも早く医療機関へ受診して治療を始めることが重要です。
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紫ニキビができる原因
紫ニキビができる原因は複数のことが考えられます。
原因となるのは以下7つです。
- 血流の乱れ
- 月経周期の乱れ
- ホルモンバランスの乱れ
- 婦人科系疾患の影響
- ストレスや睡眠不足などの生活習慣の乱れ
- ニキビの初期段階でのケアを怠る
- ターンオーバーの乱れ
紫ニキビができる肌質の特徴は、皮脂の分泌が多めだと言われています。
しかし、紫ニキビができるのは皮膚自体の問題だけでなく、睡眠不足やストレスなど生活習慣の乱れが関係している可能性が高いため見直しが必要です。
紫ニキビができる前と後の生活で乱れているところはないか確認してみましょう。
紫ニキビができた時のNG行動
紫ニキビができた時のNG行動は、潰すことです。
潰して膿や血を出すと治ったように見えますが、傷口から雑菌や細菌が入り込んでしまう可能性があります。
ニキビができていると潰したくなりますが、肌にとってデメリットしかありませんので絶対にやめましょう。
では、なぜ潰すのがNGなのでしょうか?
治った後もクレーター状のニキビ跡になるリスクや、他の部位にもニキビができる恐れがあるためです。
ここでは2つの理由を詳しく解説していきますので、覚えておいてくださいね。
クレーター状のニキビ跡になる恐れ
紫ニキビはクレーター状のニキビ跡になりやすい肌トラブルです。
肌の真皮層にまで炎症が達しているため、皮膚の組織がダメージを受けた状態になっています。
免疫反応によって炎症が広がらないよう白血球が真皮層で皮膚組織を破壊し、炎症を抑えようと働きます。
真皮層にはターンオーバーがないため破壊された皮膚組織は変形したままで、クレーター状にへこんだ肌は戻りにくく治療は難しいのが現状です。
ほっといても治るものではなく、時間が経つほど跡として残りやすくなるので早めに対処しましょう。
他の部位にもニキビができるから
紫ニキビを潰してしまうと、他の部位にもニキビができやすくなります。
ニキビは膿が溜まっている状態で中には細菌が入っているため、外に出て他の部位に付着することで、ニキビが拡大する可能性があります。
1つ潰すと他の紫ニキビも治らない悪循環に陥りがちなので、できてしまったら潰さないように注意してください。
紫ニキビは生活習慣を改善して予防しよう
紫ニキビを予防するには生活習慣の見直しが不可欠です。
一度、紫ニキビができてしまうと綺麗に治るまで時間がかかるため、できないようにするにはしっかり予防できるかが鍵を握ります。
予防方法は睡眠や食事に気を配ったり、ターンオーバーを整えたりと肌だけなく健康な身体を作る上で役立つものばかりです。
気軽に取り入れやすいものなので、出来る対策から始めてみましょう。
ターンオーバーのリズムを整える
紫ニキビを予防するには、ターンオーバーのリズムを整えることが重要です。
ターンオーバーとは肌の生まれ変わるサイクルのことで、新しい皮膚が生まれて古い皮膚が剥がれ落ちるタイミングを指します。
サイクルは周期があり、日数は加齢とともに延びる傾向にあります。10~20代の頃は26~28日だったのが、30~40代になると45日ほどかかり、ターンオーバーの速度が低下している証拠です。
生まれ変わりが遅くなると古い皮膚が蓄積されやすくなりニキビ跡やシミの原因につながるため、ターンオーバーのリズムを整える必要があります。
ターンオーバーを整えるために有効な方法は以下の4つです。
- 生活習慣を整える
- 正しくスキンケアをする
- 紫外線や乾燥から肌を守る
- 定期的に角質ケアを行う
紫ニキビだけでなく他の肌トラブルも予防できるので、意識して生活に取り入れてみてくださいね。
定期的な肌の角質ケアは古い皮膚を剥がすサポーをしてくれるので、洗顔時にピーリング洗顔料の使用をおすすめします。
紫外線対策をする
紫ニキビの予防には紫外線対策が大切です。
紫外線を浴びると肌が乾燥しやすい状態になり、肌のバリア機能を低下させる恐れがあります。
バリア機能が低下した肌はさまざまなトラブルを起こしやすく、紫ニキビもその一つです。
トラブルが起きると治るまでに時間を要するものが多いので、日焼け止めを塗ったり、日傘を差したりといった予防が必須になります。
既に紫ニキビができている部分に日焼け止めを塗る場合は、成分が患部に刺激を与えることも。
塗っても問題ないか医師に確認すると紫ニキビの悪化を防げるでしょう。
バランスの良い食事とビタミンを摂取
バランスの良い食事とビタミンの摂取も紫ニキビの予防に効果的です。
栄養が偏った食事を続けると、紫ニキビができる原因と考えられている皮脂の過剰分泌が起こりやすくなります。
塩分過多・高カロリーで高脂質な食事や、アルコール・コーヒーなどの刺激物を控えるのがベストです。
ニキビに良いとされる緑黄色野菜や食物繊維がたっぷり摂れる食事内容を心がけましょう。
積極的なビタミン摂取もニキビ予防に有効です。ビタミンにはターンオーバーを促進させ、肌の回復や皮脂分泌の抑制を助ける働きがあります。
果物やサプリメントなどでビタミンの摂取を意識すると、肌質が安定してくるでしょう。
しっかりと睡眠を取る
しっかりと睡眠を取ることは、紫ニキビの予防に効果的です。
肌のターンオーバーは就寝中に行われ、肌を修復・再生するためには睡眠が欠かせません。
寝不足のときは肌がごわついている気がする、化粧ノリが悪いといった経験をした方もいるはずです。
最低でも6~8時間の睡眠時間を確保するよう意識してください。
入眠から3~4時間でターンオーバーはピークに達するため、眠りの深さも重要です。
質の良い睡眠を取るには、就寝・起床時間を固定し生活リズムを整える、就寝前にストレッチを行ってリラックスするなど工夫してみましょう。
スキンケアを行う
紫ニキビの予防は毎日の丁寧なスキンケアが大切です。
肌の清潔さを保つために洗顔・保湿を行うと、細菌や雑菌が肌に入り込むのを防げるので紫ニキビを回避できます。
洗顔は日中・就寝中に付着した肌の汚れや皮脂を落とすため重要なスキンケアです。1日2回の洗顔頻度が理想で、洗いすぎると肌が乾燥しやすくなり、反対にきちんとすすげていない肌に汚れが残り、ニキビの悪化につながります。
洗顔後は、すすぎ残しがないか鏡で確認しましょう。
洗顔後の肌は乾燥しやすい状態です。乾燥した肌はバリア機能が低下し、無防備な状態になるため肌トラブルを引き起こしやすくなります。
乾燥させないためには、保水力の高い保湿が大切です。
洗顔・保湿は、敏感肌用やニキビ肌用のアイテムを使用するとよいでしょう。
清潔な寝具を使う
食生活やスキンケアは気を付けられても、意外と盲点なのが寝具の清潔さです。
寝ている間にかいた汗や皮脂がしみ込んだ寝具は雑菌が繁殖しやすく、菌の温床となっている枕やシーツに顔が触れるとニキビが悪化する原因につながります。
寝具に肌がこすれて紫ニキビから膿や血が出てしまう可能性もあり、そのまま使用すると他の部位にも影響を及ぼしかねません。
しかし、寝具を頻繁に洗濯するのは負担になるので、枕にはタオルを巻き毎日交換する、シーツを数枚用意するなど工夫しましょう。
出来てしまったら顔を触らない
紫ニキビができてしまったら顔を触らないようにしましょう。
手や指には雑菌が付着しているため、顔を触ると紫ニキビができている部分から菌が繁殖しやすくなります。
また、紫ニキビができた肌は敏感な状態なので、手で顔を触ると摩擦が刺激となりダメージを受けやすくなるのです。
うっかりニキビを潰してしまう可能性もあり、洗顔や保湿以外で顔を触ることはデメリットしかありません。
無意識に顔を触る癖がある方は、触らないよう意識しましょう。
ニキビ跡のスキンケアの注意点
ニキビ跡をスキンケアする際に注意点があります。
ニキビ跡がある肌は敏感な状態なので、肌トラブルが発生していないときの洗顔と比べて注意が必要です。
特に、ゴシゴシとこする洗顔や、熱いお湯で顔を洗うことは避けなければいけません。
上記の2点を避けるべき理由を説明していきますので、スキンケアを行うときに意識してみてくださいね。
ゴシゴシ洗顔
顔をゴシゴシとこする洗顔は、肌をトラブルから守るバリア機能を低下させます。
ゴシゴシ洗顔すると皮膚に摩擦が生じ、バリア機能が低下して肌が無防備な状態になるためです。
ニキビ跡がある肌は念入りに汚れや余分な皮脂を取り除く必要がありますが、乾燥やニキビ、赤みが発生するリスクがあるので控えてください。
洗顔の際は、手のひらで洗顔料をよく泡立て、泡を転がすように洗顔料を顔全体に行き渡らせましょう。
熱いお湯で顔を洗う
顔を熱いお湯で洗うと、必要以上に皮脂を取り除いてしまう恐れがあります。
皮脂が無くなると肌の水分量が低下し乾燥するため、肌トラブルを起こしやすくなります。
肌の状態を安定させるために皮脂は重要な役割があり、まったく無い状態がいいわけではありません。
36~38℃前後の水温で洗顔すると程よく皮脂汚れを落とせ、極度の乾燥も防げるので洗顔時は温度を意識して洗顔してください。
紫ニキビを潰してしまった時の処置
紫ニキビを潰してしまったときは早めの処置が重要です。
潰した後、放置してしまうと紫ニキビが拡大したり、跡に残ったりと症状の悪化につながっていまします。
ここでは洗顔や保湿などすぐに出来る方法を4つ紹介しますので、もしものときのために覚えておきましょう。
洗顔をして清潔な状態にする
紫ニキビを潰してしまったら、できるだけ早く洗顔して肌を清潔な状態にしましょう。
潰したときに出る膿や血が他の部位に付着すると雑菌が入ってしまうため、早めに洗顔するのが望ましいです。
なお、洗顔は以下の手順で行ってください。
- 石鹸で手を清潔な状態にする
- 顔をぬるま湯で軽く洗う
- 洗顔料をよく泡立てる
- 顔に優しく泡を広げる
- 清潔なタオルでしっかり水分を拭き取る
手やタオルの清潔さも重要なので、覚えておきましょう。
市販薬で殺菌する
洗顔で顔を綺麗にしたら、潰してしまった部分を市販薬で殺菌しましょう。
紫ニキビに溜まっていた膿がつぶれて患部や周辺の部位に菌が付着している可能性があるためです。
患部を殺菌することで他の部位の拡大や症状悪化を予防できます。
ただし、市販薬の効果に限界がありますので、症状悪化の兆候が見られた場合は、早めに医療機関を受診してください。
化粧品で保湿する
洗顔と殺菌で肌を清潔にできたら、化粧品でたっぷり保湿してください。
乾燥はさまざまな肌トラブルを引き起こす元なので、肌のバリア機能を高めるために念入りな保湿を心がけましょう。
しかし、化粧水が患部につくと成分でヒリヒリ痛む場合があります。
また、紫ニキビ部分に塗ることで膿から出た細菌を他の部分に塗り広げてしまう恐れもあるので、患部を避けて保湿アイテムを塗るのがベストです。
メイクをできるだけ避ける
紫ニキビを潰してしまったらなるべくメイクはお休みしましょう。
メイクをすると肌へ刺激を与えたり、毛穴が詰まったりといった症状悪化の原因になるためです。ファンデーションやコンシーラーを塗る際に生じる肌への摩擦が、肌のバリア機能低下につながります。
また、肌荒れを隠そうと厚く塗り込むと毛穴をふさぎ、皮脂を排出しにくくなるので控えたほうがよいでしょう。
どうしてもメイクをしたい場合は顔全体ではなく、目元や口元などのポイントメイクがおすすめです。
メイクを落とす際は、肌への負担が少ないクレンジング剤を使用して、毛穴にメイク汚れが溜まったままにならないようしっかり落としてください。
ニキビ跡は皮膚科ではなく、美容皮膚科へ
ニキビ跡ができてしまったら皮膚科ではなく、美容皮膚科へ受診しましょう。
美容皮膚科は、皮膚科よりも幅広い施術内容を提供しており、肌質や症状にあった治療方法が見つかりやすいためです。
たとえばフォーシーズンズ美容皮膚科なら、ACRS(自己血サイトカインリッチ)療法やPRP皮膚再生療法など効率的に治療できるメニューを展開しています。
皮膚科は保険適応を受けられるので美容皮膚科よりも安く治療ができますが、長期的な治療期間を要するのがデメリットです。
一方で、美容皮膚科は自由診療で全額自己負担となりますが、以下のような短期間で効果が期待できる治療が受けられます。
- ダーマペン
- ステロイド局所注射
- 美肌点滴
早くニキビ跡を綺麗にしたい方は美容皮膚科の受診がおすすめです。
紫ニキビで跡が残ってしまった時、早く消すにはフォーシーズンズ美容皮膚科に相談
紫ニキビの跡を早く消したい方は、フォーシーズンズ美容皮膚科へ相談してみましょう。
フォーシーズンズ美容皮膚科は、レーザーやピーリングなど従来のニキビ跡治療方法に加え、再生医療を活用した治療方法にも力を入れています。
ここでは代表的な施術メニュー4つを紹介しますので、自分にぴったりな治療方法を見つけてみてくださいね。
ACRS(自己血サイトカインリッチ)療法
ACRS療法は、衰えた肌の再生力を成長因子の力で炎症を抑制し、免疫機能を調整する治療法です。
自分の血液にある「抗炎症性サイトカイン」と「成長因子」を抽出したACRSを注入し、肌再生を促進します。
エイジングケアが期待できるので、毛穴やニキビ、ニキビ跡、肌質改善など幅広い悩みに効果的です。
PRP皮膚再生療法や幹細胞治療を行う前に、取り入れるとより効果的な結果が出やすいと言われています。
PRP皮膚再生療法
PRP皮膚再生療法は、血液中で血小板をより多く含む血漿成分の自己治癒力を用いた治療法です。
血小板には細胞組織を再生させるサイトカインが含まれ、傷の治癒や皮膚を正常に戻す力があると言われています。
肌の真皮層にあえて血小板を注入することで線維芽細胞が元気になり成長因子が増えるため、エイジンケアや肌の再生に効果的です。
フォーシーズンズはPRP皮膚再生療法の元祖と言われ、細胞から肌再生力をアップさせる根本治療を行うので従来の美容医療の再施術ループを脱し、効果は半永久的に持続します。
毛穴・ニキビ跡やクマなどオールマイティーに対応でき、これまでいろいろなケアを試したけど効果が出なかったという方にとって効果を実感しやすいメニューです。
幹細胞治療
幹細胞治療は、自分の幹細胞(線維芽細胞)を取り出して培養したものを、肌トラブルが気になる部分に注入する治療法です。
加齢に伴い減少する線維芽細胞を移植し増やすことで、肌本来の自然治癒力を高め、時間をかけて美肌に必要な成分であるコラーゲンやエラスチンなどを生成していきます。
細胞培養に必要な皮膚は、麻酔をかけてから、老化の影響を受けにくい耳の後ろの皮膚を数mm程度を採取するので痛みや跡が残る心配もありません。
ニキビ跡やクレーター改善、ほうれい線、ちりめんシワなどあらゆる肌悩みに効果を期待できる治療法で、ダウンタイムがほとんどなく人に気付かれずに美肌を目指せるメニューです。
ダーマペン4
ダーマペン4は、アメリカのFDA承認機器の中でも新しい機種で、自己治癒力を活用して肌の再生を図る治療法です。
微細な針で一時的に肌に穴を開け、傷を治そうとする自己治癒力で肌の生まれ変わりを促進していきます。
傷の修復作用によって皮脂の分泌を正常化させ、肌の炎症を鎮めるのでニキビ・ニキビ跡に高い効果を発揮します。
ダーマペン4は従来のダーマペン3と比較して、最大深度が3.0mmまで調整可能になったため有効成分が浸透しやすいのが特徴です。
1回の治療でも肌のキメ改善を期待できますが、1~1.5カ月ごとに4~6回続けるとより効果を実感できます。
脇田尚子 先生
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過去に様々な皮膚科で活躍した経歴を持つ皮膚科医。現在はフォーシーズンズ美容皮膚科 神戸院の院長を務めている。
▼勤務経験
神戸大学病院皮膚科
神戸西市民病院皮膚科
兵庫県立加古川医療センター皮膚科
東神戸病院皮膚科
フォーシーズンズ美容皮膚科