ほうれい線の原因や改善対策などを詳しく解説していきます。
ほうれい線は、加齢とともに誰もが気になるシワの一つです。
ほうれい線は鼻から口元にかけてできる深いシワのことで、ほうれい線がある場合とない場合で顔の印象が全く違って見えるため、消したいと考える人が多いでしょう。
他のシワと違って顔の構造や肌の弾力が失われることで現れるため、日頃の対策や適切な対処が必要です。
ほうれい線ができる原因
ほうれい線とは、鼻から口元にかけてできる「ミゾ」のことで、医学用語では「鼻唇溝」と呼ばれます。
このラインは年齢とともに目立ちやすくなり、加齢による症状の中でも多くの人の悩みのタネとなる代表的な症状です。
ほうれい線は肌のハリが失われ、皮膚がたるむことで生じるため、肌の深い部分まで影響を与えます。
肌の弾力が低下すると頬が重力によって下に引っ張られることで形成されるのです。そのため、他のシワと比べてより深く刻まれる傾向があります。
ここでは、ほうれい線ができる原因について5つご紹介します。
①表情筋の衰えによるたるみ
ほうれい線は、表情筋の衰えが主な原因です。
顔の筋肉は、表情の変化や加齢によって徐々に力を失っていき、肌の支えがなくなることでたるんでいきます。
このたるみが進行すると、鼻の両脇から口元にかけて深い溝が形成され、ほうれい線として目立つようになります。
表情筋の変化は、噛み癖や歯並びの乱れも影響することが多く、これがほうれい線の一因となることも。
片方の歯ばかりで噛んでいる場合も要注意です。この癖を続けてしまうと顔の筋肉が不均衡になり、片側だけがたるみやすくなる場合があります。
②コラーゲンやエラスチンの減少による肌弾力の減少
肌の弾力は、コラーゲンやエラスチンといった成分によって保たれています。
しかし、加齢によってこれらの成分が徐々に減少すると肌のハリが失われていき、ほうれい線が現れやすくなります。
コラーゲンやエラスチンは皮膚に弾力を与える役割がありますが、年齢を重ねるごとに生成量が少なくなり、肌のたるみにつながるのです。
また、以下もコラーゲンやエラスチンの減少を加速させます。
・不規則な生活習慣
・栄養不足
特に紫外線は肌のコラーゲンを破壊し、シワやたるみを引き起こす大きな原因となります。
肌の弾力を保つためには、紫外線対策をしっかりと行うことが重要です。
③生まれつきの骨格
実は、生まれつきの骨格もほうれい線の形成に関わる原因の一つです。
頬骨の高さや顎の形状などの顔の骨格は、肌のたるみやシワの形成に影響を与えることがあります。
そのため、生まれつきの骨格によって、ほうれい線が目立ちやすい顔立ちの人もいます。
頬骨が高い人や、顔全体が長い人は、重力の影響を受けやすいため、肌が下に引っ張られてほうれい線ができやすくなる傾向に。
後述しますが、骨格は個人によって違うため、それに合わせたケアをしていくことが大切です。
④メイクやクレンジングによる肌への負担
毎日のメイクやクレンジングがほうれい線の原因になることがあります。
肌に強い摩擦を与えるようなメイクやクレンジングを行うと、肌のバリア機能が低下して弾力が失われやすくなります。
クレンジングは肌を綺麗にするためのスキンケアなので、これがほうれい線の原因になるとは思いにくいですよね。
しかし、クレンジングで肌を擦ったり引っ張ったりしてしまうと肌の表面が傷つき、コラーゲンやエラスチンが減少するのです。
また、メイクやクレンジングの成分が洗いきれずに残ってしまうと肌への刺激となり、炎症や乾燥の原因に。
このようなダメージの蓄積によって老化が進み、ほうれい線が目立つ原因にもなります。
⑤急激なダイエット
急激なダイエットも、ほうれい線を引き起こす原因の一つです。
短期間で急に体重が減ると肌の弾力を支えている脂肪や筋肉が急速に減少するため、肌がたるみやすくなります。
特に、顔周りの脂肪が急激に減ると肌が支えを失うため、しわやたるみが生じやすくなる原因に。
ダイエットを行う際は、急激に体重を落とすのではなく、ゆっくりと段階的に体重を減らすことが、肌のたるみやほうれい線を予防するために重要です。
ほうれい線5つのタイプ
ほうれい線にはいくつかのタイプがあり、原因や見え方が違ってきます。
顔の骨格や筋肉、脂肪の量など、一人ひとりの顔の特徴によってほうれい線の深さや目立ち方が変わります。
どのタイプのほうれい線かを理解することで、自分に合った対策がわかるでしょう。
ここでは、代表的なほうれい線のタイプについて5つご紹介します。
皮膚型(たるみ無し)
皮膚型(たるみ無し)のほうれい線は、肌の弾力が保たれているものの、表皮自体の乾燥や細かいシワが原因で現れることがあります。
加齢や紫外線によるダメージが蓄積しやすい肌質が特徴です。
たるみがなくても、皮膚の表面の乾燥やハリの不足によってほうれい線を目立つことがあるため、十分な保湿ケアや紫外線対策を行いましょう。
皮膚型(たるみ有り)
皮膚型(たるみ有り)は、加齢によって皮膚がたるんできた結果、ほうれい線が深くなるタイプです。
この場合は、皮膚の弾力が低下して重力によって皮膚が引っ張られることが原因です。
たるみが進行するとほうれい線が目立ちやすくなります。リフトアップのためのケアや、マッサージなどがおすすめです。
脂肪の厚み型
脂肪の厚み型のほうれい線は、顔に蓄積された脂肪が多いと形成されてしまうタイプです。
頬や顎周りに脂肪が多い場合、脂肪の重みで肌が下がってしまうため、ほうれい線が強調されることも。
顔の脂肪の量が原因なので、脂肪を燃焼させる運動やマッサージがおすすめです。
顔周りの筋肉を鍛えることで、脂肪のたるみを抑えることが目指せます。
筋肉型
筋肉型のほうれい線は、顔の表情筋が発達していることや、表情の動きによって引き起こされます。
表情が豊かな人によく見られます。
筋肉の動きによって、皮膚が引っ張られてほうれい線が形成されるため、表情筋の緊張をほぐすためのマッサージがおすすめです。
骨後退型(骨くぼみ型)
骨後退型(骨くぼみ型)のほうれい線は、顔の骨格そのものの変化が原因で、ほうれい線が最も目立ちやすいタイプです。
加齢によって骨が後退すると頬骨や顎の支えが減少するため、皮膚が引っ張られて深いほうれい線が形成されます。
他のタイプと比べて改善が難しいとされており、顔全体のバランスが崩れることが特徴です。
また、骨格による影響が大きいため、毎日のスキンケアだけでは改善が難しい場合があり、ヒアルロン酸注射やリフトなどの外科的な治療が必要になることがあります。
ほうれい線が目立ちやすい顔周りの骨格
20~30代でほうれい線が目立つ場合、加齢の問題よりも顔周りの骨格が原因となっていると考えられます。
若い年齢層でも、顔の骨格や筋肉によって、ほうれい線が目立ちやすくなることがあります。
肌や脂肪がどのように支えられているかによってほうれい線の形成されやすさが異なるため、骨格がほうれい線に与える影響は無視できません。
ここからは、ほうれい線が目立ちやすい顔周りの骨格について詳しくご紹介します。
丸顔
丸顔の骨格は、顔全体が丸い・顔の幅が広い・顎のラインが柔らかいことが特徴です。
頬の脂肪が多い傾向があり、脂肪がたるみやすいため、ほうれい線が目立ちやすくなります。
また、丸顔の人は重力の影響を受けやすく、肌が下方向に引っ張られやすいため、頬から口元にかけてのシワが深くなりやすいと言われています。
さらに皮膚がたるむと、顔全体にメリハリが失われ、ほうれい線が強調されることも。
スキンケアの他に、顔の筋肉を鍛えることがたるみ予防におすすめです。
頬骨の位置が高い
頬骨の位置が高い人は顔の上部に骨があるため、顔が立体的に見える魅力がありますが、一方でほうれい線が目立ちやすい傾向にあります。
これは、頬骨の高さによって顔の重心が上に寄り、頬の脂肪や皮膚が重力に従い、下方向に引っ張られやすいからです。
加齢で肌の弾力が失われると、この下垂が顕著になり、ほうれい線が深く刻まれることがあります。
また、頬骨が高いことで頬と口元の境界線がくっきりと出やすく、ほうれい線の目立ちやすさにつながります。
頬中央の骨の位置が低い
頬中央の骨の位置が低いと、顔の中間部が平坦に見えがちに。
この特徴によってほうれい線が目立ちやすくなります。
このタイプの骨格では、顔のボリュームが下方に集中しやすく、頬の肉がたるみやすくなるため、ほうれい線が深くなりがちです。
また、頬骨が低いことで、顔全体にメリハリが少なくなり顔が平坦に見えるため、ほうれい線が強調されやすいのが特徴です。
ガミースマイル
ガミースマイルとは、笑った時に上唇が大きく上がって歯茎が多く露出する状態のことです。
この状態は唇を引き上げる筋肉の発達が人より大きいか、上顎の骨が前方に出ていることが原因とされています。
ガミースマイルの骨格は、顔の上部に力が集中しやすく、笑顔を作るたびに頬や口元の皮膚が強く引き上げられます。
これにより皮膚が伸び縮みを繰り返すため、ほうれい線が形成されやすくなるのです。
また、上顎の骨が突出している場合、顔の下半分の皮膚がたるみやすく、ほうれい線が目立つ原因となります。
ほうれい線の改善対策
ほうれい線は、一般的なシワとは違い、皮膚のたるみや顔の骨格が影響するため、他のシワとは違ったアプローチが必要です。
単純に保湿やシワ対策を行うだけでは不十分で、ほうれい線に特化した対策を取り入れることが大切です。
ここからは、ほうれい線を目立たなくするための改善対策について解説します。
保湿ケアの徹底
保湿ケアは、ほうれい線やシワを軽減するために重要です。
肌が乾燥すると弾力を失い、ほうれい線やシワが深くなりやすくなります。
洗顔の後やお風呂上がりは肌がすぐに乾燥してしまうため、できるだけ早く保湿ケアを行いましょう。
肌に十分な水分を与え、乾燥によるシワを防ぐことが可能です。
保湿ケアには、以下の成分を含んだアイテムがおすすめです。
・セラミド
・グリセリン
これらの成分は肌の水分保持能力を高め、肌のバリア機能を強化します。
ほうれい線だけでなく、顔全体の小ジワの目立たなくさせる効果も期待できるため、毎日欠かさずに保湿ケアを行いましょう。
表情筋を鍛える
表情筋を鍛えることで、ほうれい線を予防・改善することができます。
口元や口角の筋肉を動かすトレーニングは肌のたるみを抑えて引き締め効果を得ることが期待できます。
例えば、「イー」と「ウー」と発声して口を大きく動かす運動や、口角を引き上げる動作を意識的に行うことがおすすめです。
日常的に繰り返すことで筋肉が引き締まり、ほうれい線の予防を目指せます。
血流を促し皮膚のたるみケア
血流を促進することで、肌のたるみやほうれい線の改善に役立ちます。
蒸しタオルを顔全体にあてると顔の血行が良くなり、肌のハリが回復しやすくなります。
ほうれい線に沿って手のひらや指で優しくマッサージをすることも良いでしょう。血流がさらに促され、肌の細胞に栄養が行き渡ります。
マッサージは、肌を傷つけないように力を調整しながら行いましょう。
血行が良くなることで顔のくすみやたるみが軽減し、シワの少ない肌を目指せます。
美容外科でほうれい線を消す一般的な方法
美容外科では、ほうれい線を消すための治療法がいくつかあります。
セルフケアで改善を目指すことが難しいほうれい線にも対応しているため、できるだけ早く改善させたい方や予防したい方におすすめです。
ここでは、美容外科で行われる一般的なほうれい線の改善方法についてご紹介します。
ヒアルロン酸注射(注入)・ヒアルロン酸 ボリューマ XC
ヒアルロン酸注射は、ヒアルロン酸を肌に直接注入し、肌の凹みを埋めて自然なふくらみを持たせることでシワを目立たなくさせる注射です。
ヒアルロン酸は、元々体内に存在する成分であるため安全性が高く、アレルギーのリスクも低いとされています。
治療後すぐに効果が実感でき、ダウンタイムも比較的短いのが特徴です。
医療ハイフ(HIFU)
医療ハイフ(HIFU)は、超音波を使って皮膚の奥深くまで熱を加え、たるんだ肌を引き締める治療法です。
HIFUは皮膚の表面を傷つけることなく、コラーゲンの生成を促し、肌の弾力を回復させる効果が期待できます。
ほうれい線のような深いシワやたるみの改善にもおすすめで、即効性だけでなく治療後も効果が持続するのが魅力です。
また、ダウンタイムがほとんどないため、いつも通りの生活を送りながら治療を受けられる点もメリットです。
BNLS注射・ネオベラ(Neobella)脂肪溶解注射
BNLS注射やネオベラ(Neobella)脂肪溶解注射は、脂肪の溶解を促進することで顔の輪郭を引き締めて、ほうれい線を目立たなくさせる治療法です。
顔の脂肪が原因でほうれい線が深くなっている場合に特におすすめされます。
BNLS注射は植物由来の成分を使用しており、腫れや痛みが少ないことが特徴です。
一方で、ネオベラは従来の脂肪溶解注射よりも効果が高いとされ、脂肪を徐々に減らして顔全体の引き締めを目指せます。
どちらも短期間で効果が現れ、ダウンタイムも少ないため手軽に受けられる治療法といえます。
CPC
CPC(Collagen Promoting Complex)は、コラーゲン生成を促進するための注射治療です。
肌のハリや弾力を失った部分にコラーゲンの生成を促すことで、ほうれい線を目立たなくします。
CPCはコラーゲンやエラスチンの生成を刺激する成分を含んでいるため、自然な形で肌のリフトアップを目指せます。
コラーゲンが増加するため肌は内側からふっくらとし、シワやたるみが改善されます。
効果は時間とともに増していき、長い期間持続することが特徴です。
ほうれい線はフォーシーズンズ美容皮膚科に相談を
この記事では、ほうれい線ができる原因や改善・対策法などを詳しく解説しました。
加齢とともにシワとして深く刻まれ、一度刻まれるとセルフケアでは改善が難しくなるため、美容皮膚科で治療を受けることをおすすめします。
ほうれい線が気になる方は、ぜひフォーシーズンズ美容皮膚科にご相談ください。
ほうれい線を改善するための治療として、「幹細胞治療・PRP肌再生治療・ACRS療法」を行っています。
治療内容を知っていただき、まずはお気軽にご相談ください。
幹細胞治療・PRP肌再生治療・ACRS療法
フォーシーズンズ美容皮膚科では、自家組織から採取した真皮線維芽細胞を用いた幹細胞治療を行っています。
この治療法は、患者さま自身の健康な細胞を培養して数万倍に増やし、それを皮膚に戻すことで、細胞レベルでの若返りを実現します。
移植された線維芽細胞は、肌の深い部分から活性化させ、ほうれい線をはじめとするさまざまな肌の悩みに対して効果を期待できます。
さらに、PRP療法やACRS療法など、血小板が豊富なプラズマや成長因子を活用した治療も行っており、自己治癒力を高めて自然な若返り効果を引き出します。
メスを使わないためダウンタイムがほとんどなく、施術後はすぐにいつもの生活に戻ることが可能です。
ほうれい線が気になる方は、フォーシーズンズ美容皮膚科にご相談ください。
脇田尚子 先生
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過去に様々な皮膚科で活躍した経歴を持つ皮膚科医。現在はフォーシーズンズ美容皮膚科 神戸院の院長を務めている。
▼勤務経験
神戸大学病院皮膚科
神戸西市民病院皮膚科
兵庫県立加古川医療センター皮膚科
東神戸病院皮膚科
フォーシーズンズ美容皮膚科