黒クマの原因や改善法を解説します。
黒クマは不健康そうに見えたり、実年齢よりも老けて見えたりとマイナスイメージを与えかねないため、早く治したいですよね。
実践しやすいケア方法をいくつか紹介しますので、早速生活に取り入れてみましょう。
美容クリニックでの治療法も載せていますので、ぜひ最後までご覧ください。
目の下の黒クマの原因
黒クマはたるんだ皮膚の凹凸で影ができ、目の下が黒く見えるクマのことをいいますが、原因は4つあると考えられています。
・眼窩脂肪が前方へ突出
・眼輪筋の衰え
・遺伝的要因
主に加齢や遺伝が引き金となり、それぞれ原因を生じさせています。
黒クマができる原因を1つずつ解説していきます。
脂肪や皮膚のたるみ
黒クマは、目の下の脂肪や皮膚のたるみが原因と考えられています。
加齢によって肌のハリが低下することで皮膚にたるみが生じ、目の下にある脂肪が膨らんで影ができやすくなるためです。
肌のハリは加齢に伴うコラーゲンの減少や、紫外線によるダメージなどでも低下します。
完全に防ぐことは難しいものですが、予防や改善は可能なので諦める必要はありません。
眼窩脂肪が前方へ突出
黒クマは、目の下にある眼窩脂肪が前方へ突出することが原因と考えられています。
年齢が上がるにつれて目の周りの筋肉が衰えるだけでなく靭帯もゆるみ、脂肪を支える力が弱まるためです。
脂肪が前方に押し出され、頬との境目を作り目の下に膨らみや影が生じた結果、黒クマになります。
眼輪筋の衰え
目を開閉する際に使われる筋肉、眼輪筋の衰えも黒クマができる原因の1つです。
加齢や生活習慣による眼輪筋の衰えは、眼窩脂肪が飛び出す要因と考えられています。
目の下の膨らんで見えるものが黒クマです。
黒クマを予防・改善するには、眼輪筋を鍛えることが大切です。
遺伝的要因
黒クマは必ずしも加齢が原因ではなく、遺伝的要因も考えられます。
体質的に人よりも黒クマができやすく、若いのに黒クマができている場合は遺伝が関係している可能性が高いでしょう。
また、目の下にある頬骨は脂肪を支える役割を持っていますが、生まれつき頬骨の位置が低いこともあります。
人よりも脂肪をせき止める力が弱いため、脂肪が前に押し出されるとたるみ発生の原因にもなりかねません。
目の下の黒クマの改善法
目の下の黒クマを改善できるセルフケアを紹介します。
・十分な保湿ケアをする
・血行の促進、むくみをとるマッサージ
黒クマは加齢によるたるみや筋肉の衰えが原因と考えられています。
それぞれ原因にアプローチできる改善法は、すぐに出来るものなのでぜひ試してみてください。
眼輪筋トレーニング
眼輪筋を鍛えるために、おすすめのトレーニングが2つあります。
- 眼球を上下左右に動かす、右回り・左回りに動かす
- 下まぶたに力を入れて目を細める、力を入れて20秒キープする
眼輪筋は目の下の眼窩脂肪を支えている筋肉なので、鍛えると黒クマの原因となる膨らみの改善を期待できます。
眼輪筋を鍛えるだけで黒クマが完全に無くなるわけではありませんが、他の改善法と合わせて毎日ケアを続けましょう。
十分な保湿ケアをする
黒クマを改善するには十分な保湿ケアが大切です。
目の下の皮膚は、顔の他の部分と比較すると0.5mmほどの厚みしかないため、刺激に弱く乾燥しやすいといわれています。
これまでに目元のスキンケアをあまり意識していなかった方は、今日からでも始めましょう。
肌にハリを与えるレチノールやセラミド、ビタミンCなどが入ったアイクリーム・目元専用の美容液を使用すると効果的です。
血行の促進、むくみをとるマッサージ
マッサージは目の周辺の血行を促進し、むくみ解消に効果的です。
皮膚に刺激を与えると、老廃物の排出が促進されるので目の周りの血液循環が良くなります。
マッサージする前にホットタオルで目元を温めると、より効果を感じられるでしょう。
目元の皮膚は薄く刺激に弱いので、優しく触るようにください。
おでこやこめかみのマッサージも目の周りの筋肉をほぐすのに有効です。
目の下の黒クマがひどくなるケースや注意点
目の下の黒クマは、間違ったセルフケアや不規則な生活を続けていると悪化するケースがあります。
・眼精疲労は黒クマを悪化させる
黒クマは日々の過ごし方次第でひどくなってしまう可能性があるので、注意しましょう。
過度なマッサージは色素沈着の原因になる
マッサージのしすぎは、色素沈着の原因になりかねません。
目の下をグリグリとこすって摩擦を生じさせたり、皮膚を引っ張ったりすると、皮膚の黒ずみやたるみの原因につながるためです。
血行促進やむくみ改善にはマッサージが効果的ですが、目の下の皮膚は繊細なので刺激を最小限に抑えましょう。
眼精疲労は黒クマを悪化させる
眼精疲労も黒クマを悪化させる原因の1つです。
パソコンやスマートフォンの使いすぎで目を酷使すると血行不良が起こり、眼輪筋が衰えると眼窩脂肪が前に押し出されてしまいます。
あまりクマができるような年代で無いのに黒クマが気になる場合も、眼精疲労が原因となっている可能性が高いです。
目の疲れを感じ始めたら、黒クマが悪化する前に意識して休憩を挟みましょう。
なお、適度なマッサージは血行促進に有効です。
黒クマを治すおすすめの治療法
黒クマを1日でも早く改善したい方は、美容クリニックで治療を受けるのも一つの手段です。
美容クリニックで行われている主な治療法は、5つあります。
・目の下の脂肪注入
・ハムラ法
・ヒアルロン酸注入
・幹細胞治療・PRP皮膚再生療法
それぞれ治療法の特徴を解説するので、気になるものがあったらまずは美容クリニックへ相談してみましょう。
経結膜脱脂(けいけつまくだっし)
経結膜脱脂は、下まぶたの裏側にある粘膜を切開し、眼窩脂肪を取り除く治療法です。
人に見える部分は切開しないため、傷跡が残らず「切らないクマ取り」と呼ばれています。
抜糸不要で、ダウンタイムも1~2週間ほどと短期間で済むのが特徴です。
術後は、目の充血や腫れといった副作用が起こる場合があります。
しかし、軽度の症状がほとんどなので、リスクを最小限に抑えた施術内容といえます。
目の下の脂肪注入
脂肪注入は脂肪を目の下に注入し、くぼみにボリュームをもたせる治療法です。
自分の脂肪を使用するため、合併症のリスクが少ないといわれています。
注入する脂肪は、良質で柔らかい内ももから採取することがほとんどです。
採取した脂肪から不純物を取り除き、純度の高い脂肪にする手間がかかるので、費用は高めになります。
しかし、定着すれば半永久的に効果が持続するのが、脂肪注入の大きなメリットです。
ハムラ法
ハムラ法は、目の下の膨らみとくぼみを同時に改善する治療法です。
目の下の眼窩脂肪を除去するのではなく、くぼんでしまった部分に移動させるため、複合的な要因で発生する黒クマの症状を一度に改善できます。
ハムラ法は人から見える部分を切開する施術ですが、他に人から見えない部分、下まぶたの裏を切開する裏ハムラ法があります。
ダウンタイムは1~2週間ほどで、綺麗な仕上がりを目指したい方におすすめです。
ヒアルロン酸注入
ヒアルロン酸注入は、目の下のくぼみを改善するのに有効な治療法です。
目の下にヒアルロン酸を注入することで、くぼみがふっくらして皮膚の凹凸が目立たなくなります。
また、切開する必要はなく、注射で成分を注入するだけなのでダウンタイムはほとんどありません。
効果は6ヶ月から1年ほどとあまり長続きしませんが、良心的な料金で施術が受けられるのが特徴です。
幹細胞治療・PRP皮膚再生療法
幹細胞治療・PRP皮膚再生療法は、成長因子を利用して肌組織の再生を働きかける治療法です。
ターンオーバーの乱れを整えてくれるので、老廃物の排出が促進され、肌のハリやたるみ改善を実感できます。
目のクマが痛い場合とは
基本的にクマは痛みを伴わない肌トラブルですが、痛みを感じる場合があります。
- クマ取り施術
- アレルギーや感染症で炎症
目元に違和感を感じたら、速やかに専門家へ相談しましょう。
クマ取り施術
クマ取りの施術後、クマ部分に痛みを感じるケースがあります。
クマ取り施術は数日~2週間ほどダウンタイムがあるため、特に切開を必要とする方法で治療した場合に痛みを感じるのはごく自然です。
痛みのほか、突っ張っている感覚や異物が入っている感覚がする方もいるかもしれません。
数日経つと慣れますが、不安な場合は施術を受けたクリニックへ相談しましょう。
アレルギーや感染症で炎症
クマに痛みを感じたら、アレルギーや感染症における炎症を起こしている可能性が疑われます。
目の下にできるクマの原因は、血行不良だけではありません。
最近では、アレルギー性皮膚炎や花粉症、アレルギー性結膜炎などによる炎症もクマができる原因と考えられています。
目の下が黒くなっているだけでなく、痛みや痒みを感じたら医療機関に相談してください。
セルフケアで治そうとすると、かえって症状を悪化させてしまう場合がありますのでやめましょう。
まとめ
以上、黒クマができる原因や改善法を解説しました。
黒クマは加齢により生じるハリの低下や、たるみなど様々な原因が重なり合ってできるものだとわかりました。
一度できてしまうと治らないわけではなく、自分でケアが可能です。
ただし、誤った方法でケアを続けると悪化する一方なので、本記事で紹介した方法を守りましょう。
美容クリニックに相談したい方は、ぜひフォーシーズンズ美容皮膚科へ相談してみてくださいね。
脇田尚子 先生
-
過去に様々な皮膚科で活躍した経歴を持つ皮膚科医。現在はフォーシーズンズ美容皮膚科 神戸院の院長を務めている。
▼勤務経験
神戸大学病院皮膚科
神戸西市民病院皮膚科
兵庫県立加古川医療センター皮膚科
東神戸病院皮膚科
フォーシーズンズ美容皮膚科